アール・マテリアル・プロジェクトで次回クローズアップしたいのは、
マテリアルそのもの、つまり「素材」です。
過去に実施した「マテリアルマーケット」でも、
普通に流通していない端材廃材やサンプル素材などを、
コレクションして販売したり、仕立てたりしてきました。
「あたらしくないもの」にあらたな価値を見つけてほしい、という思いを添えて…。
そんな中で地場産の素材にあらためて向かい合う機会がありました。
このところ、あちこちで地場産はちょっとしたブームのようになっていますよね。
私たちの地元である愛知県にも、日々製造され続けているものなのに、
それまで評価があまり高くなかった素材やその製品が見受けられます。
年月を経て培われてきた技術でつくられる上質なものだけど、
現代生活での日常使いからは、ちょっと離れてしまっているもの。
「有松絞り」もそのひとつ。
新しい使われ方を目指して、いろんなものが提案されてきましたが、
今後もまだまだチャレンジが必要だと感じます。
この写真は、何年も前に大ヒットした有松絞りのブラウス。
お人形の服のようにコンパクトだけど、着れば大人のフリーサイズ。
ミセス層を中心に流行したアイテムです。
見学に伺った有松の工房の片隅で見つけた、染められる前の山盛りの白い群れ。
なんだかアーティスティックな「たからもの」のように映りました。
衣服ではない用途にするなら、あなたならどんなアプローチをしますか?